2022/06/30
イライラや怒りの感情への対処法【アンガーマネジメント】
このブログでは、助産師、精神科ナースを経て、公認心理士から、皆さんにお役に立てる事をお伝えできたらと思っています。ご参考になれば幸いです。
今回はイライラする、怒りっぽくて困っていると言う方に、アンガーマネージメントの話です。
子育て中のママお母さんとお話しする中で、1番多い悩みが、今日のイライラする、怒ってしまうということです。
子育てをする中で、子供たちが自分の言うことを聞かず、怒ってしまい、私ってこんなにひどいことを言うんだと、自分の弱さに気づく方も多いと思います。
子供が寝た後に、かわいい子供の寝顔見ながら、怒りすぎちゃったなと反省する話もよく伺います。
✔️怒りとは
私たちに備わっている、防衛反応で、自分を守るための感情です。
怒りを感じること自体は自然な反応なので、悪いことではありません。
怒りの原因は以下の3つが挙げられます。
①自分が不当に扱われたと思ったとき
例:せっかく作ったご飯を食べてくれないとき
②理由もないのに傷つけられたと思ったとき
例:強い口調で、責められたとき
③邪魔をされたと思ったとき
例:片付けをしているのに子供が散らかしているとき
①〜③のどの原因で怒ることが多いでしょうか。
今の怒りの原因は①〜③のどの理由でしょうか。
イライラしている時や、怒っているときにまず自分の感情に気づくこと、そして怒りの原因を考えることがアンガーマネジメントのファーストステップです。そうすることで、怒りの感情から距離を置きやすくなります。
✔️過敏になっていて、反応してしまう怒り
怒ってしまった後に、「そんなに怒ることでもなかったのに」と思うことはありませんか。
怒りは防御反応で自然な感情なのですが、時に閾値が低くなってしまうことがあります。それは、火災報知器が壊れてしまって、まだ火事がおきていないのに、少し気温が高くなっただけで、ビービーとアラームを鳴らしてしまうようなものです。
その原因は、これまでの「傷つき体験」の場合があります。幼児期に厳しくしつけられて、傷ついた経験のある方の場合、子どもが自分の言うことを聞かない時に、過敏に反応してしまうことがあります。また、幼児期に十分に愛して育ててもられず傷ついた経験のある方は、人から言われた言葉に過敏に反応して怒りにつながってしまうことがあります。
また身体的な不調を伴う場合にも、この現症がおこります。疲れていいる時、忙しい時、具合が悪いときには怒りやすくなります。
ご自身の怒りの傾向に気がつくこと、それがセカンドステップです。
✔️怒りの悪影響
怒りは破壊的、攻撃的、衝動的な行動を起こしやすくする特徴があります。
怒りのあまり、何かを壊してしまった。必要以上に相手を攻めて、ひどいことを言ってしまった。怒りで衝動的に物を壊してしまった。などです。
つまり、怒りを感じることは自然なことですが、怒りの結果の行動が問題になる場合があります。
✔️怒りを静める方法
怒りを静める方法に以下の方法があります。
①怒りの状況から距離をとる
・その場から離れる。行動する前に10秒数える。
②怒りのエネルギーを、発散する
・深呼吸する。走る。歌を歌う。
・大笑いできうような番組や泣ける番組をみる。
③熱中できることをする
・好きな本を読む。趣味に集中する。
④身近な人に腹の立ったできごとを話して受け入れてもらう
・信頼できる人に怒り感情を交えながらできごとを話す。
⑤本当に一方的で不当なのか、相手の立場に立って考えてみる
・自分は“不当だ”と思ったけれど、相手はなぜそうしたのか、自分を攻擊するためだったのか,相手の立場 で考えてみるなど。
自分なりに、どれが効果があるのか、試してみましょう。そして、怒りを感じた時に、どの方法をするか、あらかじめ考えておくことも大切です。
私のおすすめは④で、信頼できる相手に話を聞いてもらうことです。
問題の解決はしないけれど、気持ちを聞いてもらったり、アドバイスをもらう事で、冷静になれて、怒りから離れていくことができます。
当院のカウンセリングでは④⑤を行い、認知再構成法をしながら、アンガーマネジメントの方法を考えたりもします。
怒りは感じてもオッケー、ただ、その後の行動を変えていけたらいいですね。
イライラ、怒りっぽい事に悩んでいるお母さん方、あなただけではありません。子供を育てていくという、大仕事をしているんですもの。
ご自身では対応が難しいと感じる時は、お気軽にカウンセラーまでご相談ください。
こころのホームクリニック世田谷の「お母さんのためのカウンセリング」では、”お母さん”の皆様のご相談をお待ちしております。
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